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認定企業7社が決定した第3回 J-TECH STARTUP SUMMIT開催

    

2月8日に、技術系ベンチャー企業支援組織である一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ(TEP)が主催するイベント「第3回 J-TECH STARTUP SUMMIT」において、J-TECH STARTUP 2018に認定した企業7社を表彰した。今回認定されたのは、エンジェル出資やクラウドファンディングからの資金調達を受けている企業や起業予定者の5社(シード期)と、ベンチャーキャピタルなどから出資を受けて、資本金1億円未満でかつ従業員数50名以下の未公開企業2社(アーリー期)。

J-TECH STARTUPとは、これまで、事業化リスクが高く投資などのサポート体制が十分ではなかった、基幹技術であるAI、IoT、バイオ、宇宙などのDeep Techベンチャー企業のこと。このサミットでは、認定したベンチャー企業のサポート体制を確立するために必要なことを議論していき、大企業や支援組織とのネットワーキングを行ない、企業成長のためのエコシステム構築を目指すとしている。

今回認定された企業は以下の通り。各社が簡単にプレゼンを行なった。

●シード枠

高齢者をはじめとした身体動作の不自由な人へのウェアラブルロボットを開発・製造を行っているAssist Motionは、従来のモーターに代わりゲルを使ったアクチュエーターを開発。これにより1/3の重量でアシストスーツを製造できる。非外骨格型なため、装着も簡単で、これから伸びる市場に向けて製品の投入を目指す。

地震から命を守ることを目標に、高強度樹脂の開発・製造を行っているAster。れんが造りのような組積造の建物は、まだ世界に多数ある。地震に弱いため倒壊する危険が高く、それによって命を落としかねない。そこで、コーティングするだけで耐震性が向上する素材を開発。コストも安く発展途上国にも導入しやすいのが特徴だ。

「ふだん使いのロボティクスを」というコンセプトのもと、コンシューマ向け製品の開発及び販売事業を行うASTINAは、洗濯物をかごに入れるだけで、全自動で畳んで衣類によって分別して収納するタンス「INDONE」を開発。夫婦が協力して家事ができる環境を目指し、30万円強での販売を予定。競合は「laundroid」。

細胞を保存や輸送するのは非常に難しく、再生医療の課題の1つだった。そこで独自のセルファイバ技術を開発し、三次元化組織の大規模製造を可能にしている。あらゆる種類の細胞培養が可能なプラットフォーム技術で、10億個の製造に必要なリアクタは0.01リットル以下。今後、ファイバ製造装置や消耗品の販売、ライセンスを供与して細胞製造受諾企業を増やし、安定的なビジネスモデルの構築を目指す。

・株式会社メディアラボRFP( 医療・ヘルスケア)

アルツハイマー病 (AD) 発症予防点鼻薬の開発を行うメディアラボRFPは、アルツハイマーの症状が出る前なら、一定の割合で発症を抑えられる薬を開発。すでに長期投与の安全性が確立されており、点鼻薬にすることで、臭神経から直接脳へ届くようにしている。今後、承認申請するまでにかなりの資金が必要なため、投資してくれる企業を募集している。

●アーリー枠

多孔性配位高分子の技術開発を行っているAtomisは、活性炭やゼオライトに代わる素材としてナノ構造の規則性をもった多孔性材料を開発。これを使うことで気体を制御でき、例えばガスボンベを1/5のサイズにすることも可能。エネルギーおよびライフサイエンス領域での実用化を目指す。

アパレルなどに応用できる3D撮像システムの開発・販売・運用しているVRCは、全自動3D撮影ソリューションを開発。他社のソリューションとは違い、処理時間が約20秒と大幅に短縮。ローコストかつハイクオリティのシステムを実現させ、アパレル業界やエンターテイメント、ECなどを中心に売り込みを掛けている。


(各企業にTEP代表理事である國土晋吾氏より認定証が授与された。)

また、特許庁 総務部企画調査課 企画班長 課長補佐の菊地陽一氏が登壇し、短時間ながら「技術系スタートアップのための知財戦略」と題した知的財産(知財)の必要性と特許庁の取り組みを紹介。日本ではまだまだ意識の低い知財に対し、スタートアップには必須なツールとして、サービスをローンチする前に権利化することが大事であると説く。


(特許庁 総務部企画調査課 企画班長 課長補佐の菊地陽一氏)

そこでスタートアップを支援すべく、特許庁はベンチャー支援チームを作り、短期間で審査したり、料金の減免、知財アクセラレーション・プログラムIPASを用意するなどの活動を行なっている。特許庁のサイトでも情報を公開しているので、参考にしてほしい。