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「CEATEC 2019」に参加しました!

2019年10月15日、幕張メッセで開催された「CEATEC 2019」のイノベーショントークステージに特許庁が登壇。15時45分から「STARTUPs×知財戦略~CVCを通じた知財の共創~」、17時から「STARTUPs×知財戦略~オープンイノベーションを成功に導く知財の活用~」の2つのセッションを実施した。

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1本目のセッション「STARTUPs×知財戦略~CVCを通じた知財の共創~」には、株式会社エアロネクスト 取締役CIPO 中畑稔氏、リアルテックファンド 代表 株式会社ユーグレナ 取締役副社長 永田暁彦氏が登壇。モデレーターは、特許庁 企画調査課 スタートアップ支援チームの進士千尋氏が務めた。

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近年は、事業会社による投資活動、いわゆるCVCが増えているが、日本のCVCは2010年以降に設立されたものが9割近くを占めており、経験やノウハウが組織内に蓄積されていない。そのため米国のCVCに比べ、日本のCVCは資金面のみをサポートし、その事業会社ならでは専門知識についてのサポートまでの意識は薄いのが現状。

本セッションでは、「CVCにもってほしい姿勢」、「CVCに期待する投資先への支援」、「CVCの投資目的」の3つのトピックについて議論した。

「CVCにもってほしい姿勢」として、永田氏は、「ベンチャーに出資するのはベンチャーを育てるため。競合他社との協業などベンチャーの活動を制限せず、ベンチャーファーストで信頼関係を築くことが大切」と強調。

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次のトピック「CVCに期待する投資先への支援」では、中畑氏がベンチャー側からの意見として「ベンチャーは、資金面だけでなく、大企業がもつノウハウや人材、リソースにも期待している。経験の部分はスタートアップにないので、サポートしてもらえるとありがたい」と金銭面以外の積極的なサポートに期待しつつ、「とはいえ、お金だけ出資してほしいベンチャーもあるし、目的をもって株式をもってもらいたい場合もある。いろいろなCVCが合っていいと思う」とも。

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最後のトピック「CVCの投資目的」について、永田氏は、「大企業が投資する目的はそれぞれ違うので、ひとくくりには言えないけれど、ストラテジックリターンさえあれば、ファイナンシャルリターンはなくてもいい、という考えでは必ず失敗する。常に両方追わなくてはいけないのが鉄則」と指摘。中畑氏も同意しつつ、「CVCとほかのファンドとの違いは、単純に金融工学的なキャピタルゲインがあればいいわけじゃない点。どのような目的でも、長く一緒にやっていけるように、十分なコミュニケーションをとってもらえるとありがたい」とコメントした。

2本目のセッション「STARTUPs×知財戦略~オープンイノベーションを成功に導く知財の活用~」には、株式会社ゼロワンブースター 共同代表/取締役 合田ジョージ氏と株式会社リバネス 執行役員CKO 長谷川和宏氏が登壇(当初登壇を予定していた株式会社リバネス 代表取締役 グループCEO 丸幸弘氏は台風19号の影響で欠席)。モデレーターは、特許庁 企画調査課 スタートアップ支援チームの菊地陽一氏が務めた。

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オープンイノベーションが盛んになってきているが、事業化につなげるのは難しい。オープンイノベーションを成功させるためのポイントとして、「協業に取り組む姿勢」、「知財の帰属や成果の活用制限」、「契約の詰めvs物事を進めるスピード」、「最近の取り組みについて」の4つのトピックについて議論した。

「協業に取り組む姿勢」について、合田氏は「トップダウンでもボトムアップでもうまくいかない。ミドルがトップを口説き、ゴーサインが出たときのみ成功できる」と断言。また、新規事業では大企業から見ると大きな収益は生まないので、マインドセットしては、スタートアップとの協創の場をつくること自体を第一の目的とするといい」とアドバイス。長谷川氏は「最も困るのは『情報交換をしたい』と漠然とした相談。大企業は、何を一緒にしたいのか目的を明確にしてからアプローチしてほしい」と注文した。

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「知財の帰属や成果の活用制限」では、長谷川氏が「事業部の担当者同士ではうまく話がついていても、知財部が出てきた途端に条件が厳しくなり、オープンイノベーションがうまくいかない一因になっている。ベンチャーと組むなら知財部の意識を変えないと難しい」とコメント。合田氏は「日本の大手企業は、知財権を守ることばかりに執着している。守るためではなく、使うための特許と考えを変えてほしい」と、両者ともに知財部門の意識改革を求めた。

セッションの後半では、1本目のセッション後に観覧していた中畑稔氏も飛び入りで参加。 3つ目のトピック「契約の詰めvs物事を進めるスピード」については、中畑氏によると「スタートアップは最初から大企業の名前だけで、端から交渉をあきらめて妥協してしまうケースもある」という。長谷川氏は「契約が進まないときは、どこで止まっているのかを突き止め、場合によっては社内の上層部に直接プレゼンして説得するなど、突破する方法を担当者と一緒に考えられるような関係性を作っておくことが大事」とアドバイスした。

また、創業間もないベンチャーにとっては、資金は金額の大小よりもいかに早く出資してくれるかどうかが大事。合田氏は「今は資金調達のスピードも速く、海外は即決型。即決できるような仕組みに変えなければ海外勢に負けてしまう」と指摘した。

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最後に、長谷川氏と合田氏から、最近の取り組みを紹介。株式会社リバネスと中畑氏が代表パートナーを務める特許業務法人iPLAB Startupsは、東南アジアのスタートアップの知財戦略を支援する合弁会社「株式会社NEST iPLAB」を10月7日に設立。東南アジアを中心とした有力スタートアップのグローバル展開を支援していく。

株式会社ゼロワンブースターは、12月4日に国内最⼤級の事業創造カンファレンス「0→1 Booster Conference 2020」とイントラプレナーコミュニティイベント「Innov8rs Tokyo」を同時開催する。詳しくはウェブサイトにて。

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