基礎知識
一歩先行く国内外ベンチャー企業の知的財産戦略事例集
IP Startegies for Startups

IT/バイオ
イスラエル

12:Bio-NEXUS
~知財戦略と企業買収により、スピーディな事業拡大を実現~

会社紹介

イスラエル国防軍で用いられていた航空機のワークフロー管理テクノロジーから着想を得たモバイルワークフロー処理プラットフォームを提供する非上場の有限責任会社。2010年にイスラエルで設立され、現在ではボストン、シンガポール、オーストラリアに完全子会社を保有している。

主な製品・サービス

・BIO-NEXUS MEDICAL

緊急性の高い医療現場における情報処理など、高いリスクをもったフローをシームレスに管理できるプラットフォームソフトウェア。この技術をコアに、航空機艦隊のメンテナンスや、Industry 4.0に対応する工場などでも活用できるソフトウェアも開発している。

1. 概要ソフトウェアの進化スピードを考え、特許取得への投資は適宜判断

・クライアントをもたない初期段階から上市に備えて特許を取得

ベンチャー企業のアーリー段階でインハウスの弁理士を抱えることはコスト的にも難しいため、社外の弁理士と連携。この弁理士からのアイデアにより、同社ではクライアントを持たない初期段階から特許を取得。クライアントを持ち、社外に自社技術を公開するようになるにつれて、特にコアとなる知財を保護する必要が生じるというアドバイスを実践した。

・特許取得への追加投資は、開発やマーケティングと天秤にかけながら適宜判断

同社ではIPに特化した活動は現在のところ実施していない。企業が大きくになるにつれて、より多くの取得を取得する必要が生じるのは当然だと考えているが、同社のコア技術がそもそもユニークなものであるため、技術模倣されることへのリスクはあまり考えていない。そのため、製品・サービスの向上と開発の経過において必要であれば、特許取得のための投資を適宜判断するというスタンスをとっている。

・ソフトウェアの進化スピードを考慮

ソフトウェアの進化はめざましく、仮に特許取得によって情報が公開されてコピーされるリスクが生じたとしても、その時点ではさらなる開発が進んでいるため、すでにその技術は陳腐化している可能性が高い。そのため、特許の取得は技術保護という目的のみでは必ずしも重要とはいえないと考えている。

2. 知財の活用企業買収によるライセンスイン

・包括的な企業買収で知財トラブルを回避

目標とする研究成果への開発スピードを加速するために、同社は2017年にGIS地図の技術を持つヨーロッパの企業を買収している。同社ではこのとき、企業買収とは企業の資産である知財も取得することであるという考えのもとに、知財を含めた企業買収を実施。IPライセンスや知財のみを買収するのではなく、研究チーム・IPを含めた1社を包括的に獲得したことで、知財の所有に関するトラブルなどに見舞われることなく必要な技術を獲得することで、1社を包括的に買収した。これにより、知財の所有権が不明瞭になるといった煩雑なトラブルを回避している。

・特許取得したコア技術を他製品へ展開

同社では、特許化されたコア技術を異なる業界のワークフローシステム(作業手順を示し、これの通りに処理を進めるシステム)へ展開することでビジネスを拡張している。