基礎知識
一歩先行く国内外ベンチャー企業の知的財産戦略事例集
IP Startegies for Startups

バイオ
イスラエル

13:Foamix Pharmaceuticals
~強い特許を取得するための組織間連携~

会社紹介

ニキビなどの皮膚病に対する局所フォームの開発を手掛ける薬剤開発会社。製薬会社で勤務していた研究員がスピンアウトするかたちで2003年にイスラエルで設立された。

主な製品・サービス

・Minocycline Foam

にきび、酒さ、膿痂疹および他の皮膚状態を治療するための薬品。通常、泡(foam)は人間の体温程度で崩れやすい特性があるが、同社のMinocycline Foamは皮膚に載せても安定する。現在、実用化に向けた複数のパイプラインが存在している。

1. 概要R&D部門とIP部門の高次元での連携を実現

・知財を重要視した全社的な取組

同社では強い知財を持つことが自社の価値を高め、他社企業の知財を侵害していないことを確認したうえで知財の創出を維持し続けることによって、自社製品のクリエイティビティを加速できるという考えのもとに知財戦略を展開している。特許取得は、大企業の模倣から知財を保護するだけでなく、創業初期の企業の価値(先見性)に対する一定の評価を得ることであるとみなす。

・研究者とIP部門が協働する「パテントラボラトリーモデル」を採用

同社では知財活動に関する業務を原則的に社内で対応している。社内IP部門は、2007年に特許関連の訴訟対策として設立。現在はIPに関わる経験をもつ弁護士とパラリーガルが所属し、事業の結果を受け止める組織の一員として、より良い特許取得へ向けて取り組んでいる。

また同社では「パテントラボラトリーモデル」と呼ぶ体制を取り入れている。同社のR&D部門は製品開発・量産化を中心に取り組むため、技術ではなく製品にフォーカスが当てられ、特許化できる技術の発掘・特許化に十分なリソースを割けなかった。しかし、大きなコストを要する臨床試験後に、製品の知財が侵害されることは多大なリスクとなるという認識があった。本体制では、IP部門とR&D部門が常にラボを行き来しながら交流・協働することで、製品だけでなく技術を広い範囲で保護できるようにした。これは現時点で守るべき知財だけではなく、将来的な製品となりうる技術・守るべき知財の発見や、新製品の開発支援を可能とする体制である。

2. 知財の活用ロイヤリティ収入を得ながらのアライアンス

・自社知財を保持しながらの共同開発

同社ではBayerやActavisなど数多くの大企業とアライアンスを締結している。各企業とはライセンスの扱いも含めた契約を取り交わすことで、自社知財を保護しながら共同研究を実施。最大限の注意を払いながら、自社特許を保持できるかたちでの連携を進めている。この連携体制により、ロイヤリティ収入を得ながらの共同開発を可能にしてきた。また、共同研究時に開発した知財は、基本的に同社が得るものとし、基本的にはライセンスとしてFoamix社が買い取っている。