基礎知識
ベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引き

ベンチャー企業の成長を加速させる上でビジネスに応じた知的財産の取り組みが不可欠である。とくに、革新的な技術の事業化を行う研究開発型のベンチャー企業にとって知財戦略は事業成長の成否を大きく左右するものになる。
 しかし、ベンチャー企業だけでは資金や体制が限られるため、十分な取り組みができていなかったり、そもそも知的財産の重要性を認識していなかったりする。弁理士や弁護士などの企業の知財戦略を支える専門家もいるが、ベンチャー企業から専門家に知財の相談が来たときにはすでに手遅れになっていることも少なくない。
 そこで、ベンチャー企業の知財戦略を強化するためには、創業期から付き合っている投資家のアドバイスが鍵を握る。また、投資家はアドバイスだけでなく、ベンチャー企業に必要な知財戦略のコストを資金面から支えることができる。「投資家にベンチャー企業の知財戦略をさらに支えてほしい」――このような想いから本手引きを作成した。
 本手引きはベンチャー企業に投資を行う投資家に向けて、知的財産の評価・支援の落とし穴とその対策をまとめたものである。

本手引きの特徴は以下の3点である。
①投資家向けに書かれた初めての知的財産に関する手引きであること
②投資の際に実際に起きたリアルな落とし穴を集めていること
③国内外の事例を取り扱っていること

■PDF版はこちら『ベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引き~よくある知財の落とし穴とその対策~


1章

投資家による知的財産支援の意義

概要:近年の投資環境の変化により、ベンチャー投資家にとって知的財産に対する評価・支援は投資先の企業価値向上やEXITの実現のために不可欠である。投資家が支援を講じた結果、成果を出した事例が出てきている。

2章

投資家による知的財産支援とは(Coming Soon)

概要:知財戦略のポイントは、発明を広く権利化する観点だけではなく、経営戦略全体を考えていく各所で、常に知財の要素を考慮すること。投資家は知財戦略の視点を拓くために重要なポジションにいる。

3章

ラウンド別の知財 マイルストーンと落とし穴(Coming Soon)

概要:投資ラウンドによってベンチャー企業の知財戦略のポイントは変わるため、知的財産についてもラウンドに合ったマイルストーンを定めるとよい。
 創業前後には、出願前に学会発表を行ってしまい基本特許を取れない、大学とのライセンス契約の条項に課題がある等、成長に影響を与える落とし穴が多い。事業計画に知財戦略を組み込むことが重要。
 シリーズA以降はビジネスモデルと知財が対応しなくなってしまう落とし穴や、提携先企業・競合他社に起因してスケールやEXITが制約される落とし穴が増える。知財に関するガバナンスを働かせる必要がある。
 CVCによる知財の評価は、既存領域だと自前主義により評価の歪みが生じてしまい、一方で新規領域だと評価が難しくなる。また、EXITを自社との協業だけにフォーカスし過ぎてしまうことにも注意が必要である。

4章

知財評価・支援のための体制(Coming Soon)

概要:社内で知財の評価プロセスを仕組み化し、投資後も支援ができる体制を構築することが重要である。弁護士や弁理士等の知財専門家とのネットワークを構築し、連携しよう。