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スタートアップのための知財キーワード解説

第6回●「特許協力条約(PCT : Patent Cooperation Treaty)」とは?

【シンプルに表すと?】

150以上の国が加盟する国際条約。複数の国や地域に対してそれぞれ特許出願する代わりに、一つの「国際」出願をすることにより、多数の国・地域で同時に発明の特許保護を求めることが可能。この条約に基づいて出願した特許が“PCT”、“国際特許”と俗に呼ばれている。

PCT国際出願制度
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/seido/kokusai1.html

「特許協力条約(PCT)」とは何でしょうか?

IP BASE:世界各国で権利を取りたいときに、最初に日本でPCT出願するだけで世界中に出願したことにできるシステムです。注意しなくてはいけないのは、「出願したことにできる」というだけで、「実際に権利を取得する」には、それぞれの国ごとに審査される手続(国内移行手続)をしなくてはなりません。

世界に出て行くための第一歩、というわけですね。

IP BASE:最初に出願した日から原則30カ月までに、特許を取得したい国へ必要な書類を提出すれば、最初の出願日にその国に出願したものとみなされます。海外で特許を出願するには現地代理人費用や翻訳費用などさまざまなお金がかかるので、その30カ月の間に、どこの国に出すかの判断や資金調達の時間稼ぎができるわけです。

目安としてどれくらいの費用がかかるのでしょう?

IP BASE:分野や翻訳の長さによって変わってきますが、基礎出願をしたあとに海外1カ国に出願する場合、翻訳費用と現地代理人手数料も含めて、百万円単位のお金がかかると考えておくといいでしょう。

起業したばかりですとなかなか厳しいですね。

IP BASE:PCT出願や外国出願には補助金の制度がありますので、スタートアップはこうした制度をうまく活用しつつ、権利を取っていくことが大事かと思います。

コストを抑えるために3カ国までなら、PCTを利用せずに出願したい国にそれぞれ出願(直接出願)するほうがいいとも聞いたことがあります。

IP BASE:外国1カ国だけに出願する場合、PCTを利用した出願は、直接出願に比べて費用がかかります。1、2カ国だけに出願したいのであれば、直接出願したほうが安上がりかもしれません。ただし、直接出願の場合の出願期限は、原則日本の最初の出願から12カ月以内になりますのでご注意を。