特別企画
スタートアップのための知財キーワード解説

第2回●「共同出願」とは?

【シンプルに表すと?】

複数の個人・法人が一緒に共同して特許を出願すること。特許を受ける権利を複数の個人・法人で共有しているときは、共有している個人・法人全員で共同出願をしなければいけません。

「共同出願」とは何でしょうか?

IP BASE:複数の個人・法人が一緒に出願することを「共同出願」と言います。 企業や大学などの共同研究によって生まれた発明は共同出願されることが多いです。

大学発ベンチャーなどでは「共同出願にしたから……」と問題になるケースも聞きます。

IP BASE:「出願」は、特許を受ける権利をもっている人が全員で行わなければなりません。そして、共同出願をして登録査定となった場合、その特許を他者にライセンスしたい、あるいは技術移転したいときには、共有者全員の了解を得なくてはいけません。誰かが反対であれば話がストップしてしまうのです。そのため、特許をビジネスに利用する際の自由度が低くなってしまう、という問題があります。

軽い気持ちで共同出願にすると、後で面倒なことになる可能性もあるわけですね。

IP BASE:そうですね。また、大企業と大学・ベンチャーとの共同出願に対して第三者がライセンスを受けたい場合、大企業側が難色を示して、第三者はなかなかライセンスしてもらえないケースもあります。

それはなぜでしょうか?

IP BASE:大企業側としては競合を増やしたくないので、第三者へのライセンスを嫌がる傾向があります。大企業と大学・ベンチャーとの共同研究で得た成果を権利化する場合、事前に共同出願の契約を結ぶのですが、その契約内容によっては、権利を共有している大企業側の意向が優先される文言を含んでいる場合もあります。

研究費を獲得するために、大企業に有利な条件を飲んでしまうこともありそうですね。

IP BASE:そういう場合もあります。共同出願しなくて済むのであれば、できるだけ単独で出願することを勧めます。

とはいえ、共同研究の成果の場合、単独出願は難しくはありませんか?

IP BASE:もちろん、共同で出願しないといけない部分はありますが、一方で、独自で出願できるものはできるだけ単独の名義で出願しておくと、あとあと動きやすくなります。共同出願をするのであれば、将来その権利をどう活用したいのかを踏まえて、きちんと契約内容に盛り込んでおくことが大事です。