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スタートアップのための知財キーワード解説

第11回●「優先期間、優先権主張(国内優先)」とは?

【シンプルに表すと?】

先の出願で発生した優先権を保有できる期間。最初の出願に見えていなかった関連情報を追加して補強した出願をすることができる。この後に出された出願を優先権主張出願という。

「優先期間」、「優先権主張」とは何でしょうか?

IP BASE:優先期間は、すでに出願した特許に、改良発明の追加や内容の補充をした出願ができる期間です。内容を追加、補充することで権利を強化した出願となります。後に出されたこの出願を優先権主張出願といいます。後にした出願のうち、先にした出願に記載されている部分については、新規性や進歩性などの審査の際、先にした出願の時を基準に判断されることがメリットです。

優先期間はどのくらいでしょうか?

IP BASE:基本は1年以内です。最初にAという特許出願を出したとします。その1年以内に足りないデータや、新たに見つかったA’やA+を追加して補強した出願をすることができるのです。

補強した場合、特許の有効期間には影響しますか?

IP BASE:優先権主張をした、後の出願の日から20年となります。したがって、特許期間をできる限り長く確保したい分野でも優先権主張はよく活用されています。

実際に優先権で争ったケースもあるんでしょうか。

IP BASE:たとえば、実際に知財高裁まで争った事案「旋回式クランプ事件」(知財高裁平成23年(行ケ)第10127号)では、最初にした出願Aに書いていなかった数値を後の出願Bに追加して発明を限定したとしても、もともと出願Aに記載されていた上位概念の発明Aについて優先権の効果を主張することができなくなるわけではない、とされています。