知財のキーワード
第5回●「クレーム(特許請求の範囲)」とは?
【シンプルに表すと?】
特許を出願する際に、特許をとって独占したい発明がどのようなものかを特定する事項を記載したもの。この書き方次第で特許の権利範囲が決まる。
クレームとは、そもそも何でしょうか。
IP BASE:特許をとって独占したい技術がどういうものなのかを言葉で説明したものです。技術を言葉で表すのはなかなか難しく、書き方次第で特許の権利範囲が決まってしまうので、どういう言葉で表現するかが知財専門家の腕の見せどころです。
つまり、持っている技術や効果がそのまま特許になるわけではない、と。
IP BASE:そうです。言葉でどう表すかが重要で、広くも狭くも書ける。例えば、「タブレット」や「ペン」というと狭いけれど、「情報入力装置」と言えば広くなりますよね。仮に広い権利が認められれば、他者の技術が含まれやすくなり、すごく強い権利になります。
個別のものに絞ってしまうほど、弱くなるのですね。
IP BASE:特許にはなるかもしれないけれど、他者への攻撃力が下がる、ということです。特許を取ること自体が目的になってしまうと、権利範囲が限定的になりがちです。特許費用を払っているだけでその権利が活用できないのは、もったいない。ただし、単純に広い権利範囲を狙えばいいかというと、そのぶん、拒絶もされやすくなってしまうので、ギリギリを攻めるのがテクニックです。
そのバランスが重要なのですね。
IP BASE:そうですね。スタートアップが行う新しいビジネスにおいては、既存の特許が少ないので、最初からある程度広めに狙いにいくのもありだと思います。