知財のキーワード
第18回●「商標における商品・役務」
【シンプルに表すと?】
商標登録の出願時には、商標を使いたい商品やサービスの範囲を指定する。指定された商品を「指定商品」、指定されたサービスを「指定役務」という。指定商品・役務は、あとから大きな変更ができないので、使う可能性のあるものは最初に指定しておくのが基本。
商標における指定商品・指定役務とは何ですか?
IP BASE:商標の権利の範囲を定めるものです。特許の場合、クレーム(特許請求の範囲)に権利範囲を記述するように、商標の場合でも、使いたい商品や役務(サービス)を指定します。例えば、Aという商標を「食品」に指定して取得すると、食品以外の商品やサービスには権利は及びません。
指定できるのは出願時の1度だけですか。あとから追加や変更はできないのでしょうか。
IP BASE:基本的には願書に書いたものになり、「要旨の変更」といわれる、最初に指定した範囲からの大きな変更はできません。もし他の商品・役務で使いたくなったら、別途、新たに出願することになります。指定商品・役務は、後から追加できませんが、減らすことはできるので、使う可能性のあるものは最初に指定しておくほうがいいでしょう。
商品・役務は、どのように記載すればよいですか?
IP BASE:商品・役務については45種類の区分に分けられており、各区分に属する商品・役務の一覧は「類似商品・役務審査基準」に示されています。通常は、この中から該当する商品・役務を指定し、これらが属する区分とともに願書に記載します。「類似商品・役務審査基準」に自社の商品・役務に当てはまるものが記載されていない場合、自分で作って申請することができます。スタートアップのように前例のないビジネスをする場合は必要になるかもしれません。商品・役務を自身で作る場合にも、適切な区分とともに記載する必要があります。
こうしたことは、弁理士などの知財専門家や特許庁の審査官に相談すれば教えてくれるのでしょうか?
IP BASE:弁理士からのアドバイスでその会社の業務に従った範囲を指定できる場合もあります。間違ったところに分類されてしまうと権利を正しく行使できない可能性もあるため、出し直さなくてはいけない場合もあるので、出願前に専門家に相談することをお勧めします。