知財の基本ルール
CEOなら知っておくべき、知財の基本ルールを知っておきましょう。
まず、知的財産ってなに?
1. 特許権(発明)
例:スマホの筐体の加工/5G通信技術/アプリのサービス・UI
2. 意匠権(デザイン)
例:スマホの形状/スマホに記録された画像デザイン(ウェブサイト、映画やゲームの画像、ウェブを介するソフトウェア画像等は対象外)
3. 商標権(ブランド)
例:スマホのブランド名/アプリのサービス名
特許権・意匠権・商標権は、特許庁での審査を経て、権利になります。
審査を通過しないと、権利にはなりません。
権利の存続期間は?
※商標権は、更新をすれば半永久的に権利を保持することが可能。
特許出願は1年半後に公開される
特許出願は、そのあと権利化に至るか否かに関わらず、出願日から1年半経過後に出願書類が公開されます(出願公開)。
発明の公開を念頭において、出願するかどうかを検討する必要があります。
知的財産権は、各国ごと
日本で取得した権利は、日本でしか効力を持ちません。外国でも権利が必要な場合、別途その国で出願する必要があります。
一方で、新規性の判断は全世界を基準に行われます。世界のどこかで公知になった技術は、新規性を失ってしまいます。
日本で出願して出願公開されたあと、外国に出願しようと思っても、時すでに遅し…
国際出願制度
権利は各国ごとに取得する必要がありますが、手続を簡単にするために国際出願制度があります。
複数の国で権利化する場合、国際出願を利用すると、手続的にも、金銭的にも有利になる場合があります。
・特許 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願
・意匠 ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく国際出願
・商標 マドリッド協定議定書による国際出願
職務発明制度
従業者がした発明について特許を取った場合、従業者には「相当の利益」を手当てする必要があります。
きちんと職務発明規定を整備しておかないと、トラブルのもとに。
知財デューデリジェンスでもチェック対象になります。
職務発明制度の概要について(PDF:639KB)
中小企業向け職務発明規定ひな形(PDF:78KB)
どのような発明が特許権になる?
主な要件は以下の3つです。
発明該当性
特許法上の「発明」であること
以下は「発明」とは認められません。
・発見そのもの
(例:万有引力の法則の発見)
・人為的な取り決め
(例:金融保険制度/課税方法)
・自然法則を利用していないもの
(例:計算方法/暗号)
新規性
新しいものであること
原則、出願時に公知なものは新規性がありません。自身で学会発表、展示会出展などにより公知にしてしまった場合も、新規性を失ってしまいます。
進歩性
公知の技術から
容易に思いつくものでないこと
誰でも思いつきそうな単なる既存技術の組み合わせは、進歩性がありません。