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イベントレポート

「RINK FESTIVAL 2020」に参加しました!

2020年2月21日、神奈川県川崎市殿町のライフイノベーションセンターにてかながわ再生・細胞医療産業化ネットワーク(RINK)による、年に一度の大型イベント「RINK FESTIVAL 2020」が開催された。

同イベントは、「緩いつながり・新たな出会い」をテーマに、RINK会員企業をはじめ、日本各地・海外の事業者や研究者、学生等が、PR・交流する場を創出。日本における再生医療の実用化・産業化を促進するため、さまざまな関係者が参加し、交流を深めていた。

プログラム中、14時30分からは「バイオ系スタートアップが実践すべき特許戦略」として、ライフサイエンス領域における最前線での知財の在り方を、識者がプレゼン・ディスカッションを行なった。

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セッションでは、経済産業省 特許庁 進士千尋氏をモデレーターに、大野総合法律事務所 パートナー 弁理士 博士(医学)の森田 裕氏、メディップコンサルティング合同会社 代表社員弁理士の大門 良仁氏が登壇。これからのバイオ系スタートアップがビジネスで勝つために実践すべき強力な特許戦略についてディスカッションを交わした。

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冒頭、森田氏から「近年の特許係争からみる出願戦略の課題」として、抗体は異なるが、同一標的で同一作用機序を有する抗体であるために、「先発vs先発」が主戦場になりつつある状況を解説。

単純な製品保護にとどまらない広い概念特許取得の重要性や、iPS細胞の特許を例に米ホワイトヘッド研究所の特許戦略を紹介。これまでになかった「低い効果を狙った発明の有用性」を主張。ただしそのためには、ビジネスの計画を具体化することがまず第一に重要であり、研究開発と密接に連携した特許戦略なしには、ビジネスを守れる強い権利にはなりえないことを説明した。

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後半は、森田氏と大門氏によるディスカッションへ。

これからのバイオ医薬市場で日本が「世界との戦い」で勝るためには必要な基本戦略として、広い概念特許と製品におけるライフマネジメント特許の両輪の必要性が語られた。

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近年米国では、特許係争しながらFDA承認を得るケースもあり、結果、係争から半年後にライセンス交渉が成立するような事例も紹介された。特許はツールとしてうまく活用されるものであり、スタートアップにとってもただ取得するだけでない、タフな立ち回り方が求められているようだ。

コロナウイルスの影響で、参加者・登壇者ともに「マスク着用のまま」となった本イベント。45分間という短い時間ではあったが、スタートアップや関係者が参集。熱心に聞き入っていた。

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【関連サイト】

  • ・「RINK FESTIVAL 2020」詳細レポートはこちら 
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