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落とし穴13:新規領域への投資では事業部・知財部の評価能力、ハンズオン能力が不足する

よくあるケース

CVCを運営する事業会社は、ある研究開発型ベンチャーへの投資を検討しました。既存事業とは離れた領域で、数年先にシナジーがありそうな企業への投資を目指しており、投資担当者は不確実性が高いものの、成長する可能性のある市場をターゲットにするベンチャー企業の技術に興味を持ちました。

しかし、事業部および知財部のデューデリジェンスでは、技術の土地勘がないため評価ができない、という結論になり、投資を見送ることになりました。

その後、競合の事業会社がそのベンチャー企業に対して投資を行いました。

対策:飛び地への投資は自社の評価能力、ハンズオン能力が低い事に留意する

ポイント1:社外の投資家やメンターと連携して評価・ハンズオン支援を行う

社内の事業部や知財部は、既存事業とは全く異なる領域のベンチャー企業の評価が適切にできないケースがある。また、知財部はリスク観点から評価については慎重になりがちである。さらに、既存事業と将来的に競合しうるようなベンチャー企業の技術について評価する場合には、マイナスのバイアスがかかりがちである。社外の投資家、メンター、専門家等のネットワークを構築して、社外の視点から評価を行いつつ、知財部など社内リソースはハンズオンに重点を置くことも検討に値する。

ポイント2:シナジー基準だけでは、新規性の高い案件へ投資ができなくなることもある

新規性の高い技術やサービスは、短期的にはシナジーや投資資金の回収のロジックを作ることが困難なケースもある。将来的に市場や技術が融合し、新たな市場を作ったケースは枚挙にいとまがない。シナジー基準だけでは新規性の高い案件への投資ができなくなるケースがあることに留意が必要である。

参考事例
GPに新規領域を専門とするキャピタリストを採用する

米国にある日系企業のCVCでは、本業と全く異なる領域への投資を行うため、当該新規領域を専門に米国のトップベンチャーキャピタルで経験を積んだ現地のキャピタリストをGPとして採用した。

もともと当該分野の技術的なバックグラウンドがあるため、技術や知財の評価、ハンズオン支援は円滑に行うことができている。知財の評価では、業界にどのようなプレイヤーがいて、どのような知財を持っているかを、知財弁護士を活用して調査を行う。投資実行時に知財がなくても投資をすることはあるが、ハンズオン支援の際には知財ポートフォリオの構築のための助言を行っている。必要に応じて他社からライセンスインを行ったりしている。

(米国に拠点を構える日系企業のCVC)

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