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第14回●「用途発明」とは?
【シンプルに表すと?】
あるモノの未知の属性を発見し、それを使った新しい用途を見出したときの発明。既存の薬品、物質、食品であっても、用途の新規性が認められた場合、用途発明が特許として認められる。
「用途発明」とは、何でしょうか?
IP BASE:モノ自体は、もともとあったけれど、さらに、新しい用途にも使えることを発見しました、という発明に認められる特許です。
例えば、どんなものが?
IP BASE:薬であれば、「この風邪薬が癌にも効くことがわかりました」といったものです。素材メーカーであれば、従来は製品Aに使っていた素材が、製品Bも作れることがわかった場合、その用途を申請して特許が成立すると、「弊社の素材は、製品Aと製品Bの用途特許を押さえています」という使い方ができるわけです。
この場合、用途特許を押さえられると、基本特許を持っているメーカーでも、その用途には使えない可能性もある?
IP BASE:そうです。横から取られてしまう可能性があります。素材や薬がわかりやすいですが、大企業は用途でも特許をとることが多いです。ただし、用途ごとに特許を出願すると費用がかかります。中小企業やスタートアップの場合、特に素材系では、最初に特許を出願する段階で、可能性のある用途をあらかじめ特許に記載し権利化しておくのがお勧めです。
最初からまとめて出して費用を抑えるわけですね。
IP BASE:1件1件、それぞれを権利にすると費用がかさみますから。最初に用途をたくさん入れておけば、費用は1件分のみで済みます。
薬品や素材以外にも狙える分野はありますか?
IP BASE:物質や食品など、実在するモノであれば。化学・バイオ系モノづくりスタートアップは、用途発明でも権利化できることを知っておいたほうがいいです。