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バイオ・ライフサイエンス

ライフサイエンス/バイオ系(1)
医療系ビジネスには「知財」と「薬事」の2つの戦略が必要

業種や業務、技術カテゴリーなど分野別の知財戦略を専門家にヒアリング。
当該ジャンルの起業・スタートアップに必須の基礎的な知識をお届けします。

テーマ:バイオ・ライフサイエンス

  • 講師

    阿部 浩之 氏

    • 国立研究開発法人国立成育医療研究センター
      開発企画部 知財・産学連携室長
  • 監修

    森田 裕 氏

  • 監修

    大門 良仁 氏

アカデミアにおける知財は、研究者だけで研究した成果なのか、外部の研究機関や企業との共同研究による成果なのかによって扱いは大きく異なります。

スタートアップと大学との共同研究の成果として特許出願する場合は、スタートアップがその医療系の分野で詳しいかどうかによっても違ってきます。少なくとも医療系で、事業を起こそうとしようと思ったら、特許は非常に大事。とくに創薬分野では、物質特許が強い力をもちます。

ただし、医療機器になると、また話は別。医療機器は機械なので、特許や知財がいくつも集まってできています。その中の要素として、自社の特許がどれだけ大きく、いくつ含まれているのか、特許の価値を十分に理解している人がいるかどうかが事業の成長に大きく影響します。

加えて、知財だけでなく、医療の承認制度(薬事)も重要です。医療機器の事業化には、知財と薬事の2つの戦略が不可欠です。この2つを両方理解している人は少ないので、それぞれの専門家に相談しながら事業を進めていくことになるでしょう。

相談窓口としては、東京都は医療機器の事業化を支援する医工連携HUB機構が設置しており、知財と薬事の両方を相談できます。また、厚生労働省では、医薬系ベンチャーを支援するポータルサイト「MEDISO」を設置しているほか、全国13カ所の臨床研究中核病院の窓口でも相談に乗ってくれるはずです。

自分たちの技術が医療に役立つのでは? と思ったときは、最初の入り口として、こうした場所に相談してみてはいかがでしょうか。

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