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スタートアップの知財を支援する専門家向け手引き書

5.この先の世界で知財専門家に期待されること

現在、AI、IoT、ビッグデータなどが急速に進展する「第四次産業革命」の中で、業種の垣根は崩れ、新しい技術やビジネスモデルを持つ新しいプレイヤーが、市場の景色を一変させつつあります。そのプレイヤーの代表的なものが、スタートアップです。このスタートアップを総合的に支援出来ることが、この変革の時代に知財専門家に求められる最も重要な要素の1つといえます。
 他方で、知財専門家に求められることは、急速な時代変化の中で、今後、さらに多様化・高度化していくと考えられます。オープンイノベーションの文脈でいうと、これまで関連の薄かった分野同士やプレイヤー同士の連携が加速していく可能性があります。
 例えば、ドローンによる農薬散布技術の共同開発や海外のグローバル企業に対するスタートアップが持つ技術のライセンスなどがあります。これらを円滑に進めていくには、多分野・国内外に広い視野をもち、法的なスキルも兼ね備えた知財専門家の存在が必要不可欠となります。
 さらに、知的財産の流動性が高まり、経済的価値評価の重要性が増していく可能性もあります。この分野においても、知的財産に関して優れた目利きの能力をもつ知財専門家の活躍が期待されます。加えて、ビッグデータの有用性が明らかになりつつある中で、データというこれまで知的財産として積極的に扱われてこなかったものの価値が高まってきています。このような知的財産を適切に扱うことも知財専門家に求められることになります。
 知財専門家に求められることが変化していく一方で、知財専門家のおかれている状況自体にも変化があると考えられます。
 AIなどの情報ツールの発達により基本的な書類作成作業や調査作業などにかかる時間は大幅に短縮され、人間でないとできない、イノベーションを促進させる技術のマッチングなどまさに創造的な側面での力を発揮しやすくなっていきます。
 今後は、知財専門家の重要性がより一層増し、様々な分野で知財専門家が活躍しやすい時代に突入していく可能性が大いにあります。先に述べたいくつかのニーズ以外にも様々なニーズが出現してくる可能性もあります。何よりも重要なことは、知財専門家として、今後、多様化・高度化していくニーズを的確に捉えるとともに自身の得意領域を見定め、着実にスキルを磨いていくことです。知財をコアにスキルアップを積み重ね、大企業・中堅企業、事務所、スタートアップ、中小企業、アカデミア等の垣根を越えて、様々な業界・分野でキャリアを形成し、活躍の場を広げてください。

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執筆協力:
下田 俊明
特許業務法人 秀和特許事務所 シニアパートナー 弁理士
日本弁理士会 知財経営センター 企業支援事業部担当副センター長

坂本 智弘
特許業務法人サカモト・アンド・パートナーズ 弁理士 坂本智弘
(前)日本弁理士会 執行理事

安高 史朗
IPTech特許業務法人 代表弁理士・公認会計士
日本弁理士会関東会 中小企業・ベンチャー支援委員会副委員長 ベンチャー支援部会部会長

竹本 如洋
瑛彩知的財産事務所 所長
特許業務法人Smarca 代表 弁理士・米国弁護士
日本弁理士会 スタートアップ知財価値評価標準WG委員
(前)日本弁理士会関東会 中小企業・ベンチャー支援委員会委員

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