5.1.1 支援先スタートアップの公募
支援先となるスタートアップの公募は事業の成否を決める重要な要素です。事業目的を鑑み、応募資格や、選考方法を決める必要があります。
IPASでは、適切な選考が出来るように、応募フォームや、プレゼン審査のフォーマットを毎年改善に務めています。また、支援を必要としているスタートアップに確実に周知することにも力を入れています。
公募から選考までのフロー
準備、留意点
募集要項
- 事業目的を定め、支援ターゲットや支援内容を具体化します。スケジュールや応募資料など応募者の負担と、応募によるメリットをしっかりと伝えることが重要です。
- 提供いただいた応募情報を事務局がどのように管理するか、明記します。

応募フォームの準備
応募フォームは大きく二つの項目で構成されています。
1.選考に関わる項目
- 基礎情報(企業規模、資本金、株主構成など)
- ビジネスモデル・ターゲット市場
- 保有技術と知財の状況・抱えている課題
- 専門家の支援が他にあるか
- メンタリングの参加者の社内での役割
- メンタリングへの積極参加意思
2.その他
その他で収集すべき情報
- 募集を知ったきっかけを、毎年記入してもらっています。スタートアップコミュニティは変化が速いため、効果的な宣伝方法が常に変わる可能性があります。
- IPASでは、特許庁や経済産業省などへの情報提供について、同意を得ています。
- 他の支援事業がある場合には情報提供することも有効です。

募集、宣伝
- スタートアップが募集に気づくことが重要です。専用ウェブサイトを用意するだけでなく、プレスリリース、スタートアップ関連団体への宣伝や応募説明会の開催も有効です。
問い合わせ対応
- 問い合わせは、事業内容と応募資格について受けることが多くあります。
- 頻出の問い合わせは、募集要項に記載するとともに、応募資格の線引きは企画段階で、あらかじめ決めておくとスムーズです。
宣伝媒体
- プレスリリースやスタートアップが参加するコミニティへだけでなく、ベンチャーキャピタルや知財専門家のコミニティを通じた宣伝も有効です。

選考
- メンタリングは、スタートアップの参加意識も重要であるため、IPASではプレゼン審査も行っています。
効率的にスタートアップの現状や支援ニーズを引き出すために、プレゼンのガイドとフォーマットを作成するとともに、頻出の質疑内容は、あらかじめ、プレゼンフォーマットに組み込んでいます。
プレゼンガイド・プレゼンフォーマット
- スタートアップは、特に知財に関する内容についてプレゼンで説明をしたことがない場合もあります。作成したプレゼンフォーマットには丁寧な記載例を併記し、知財の状況や支援ニーズを引き出しやすくする工夫も重要です。