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IPAS(知財アクセラレーションプログラム)運営の手引き

5.4 有識者委員会

開催準備

IPASの運営にあたっては、有識者委員会を設置し、支援先スタートアップの選定や支援計画の確認など、大局的かつ専門的な見地から助言をいただいています。

有識者委員会の開催までのフロー

準備、留意点

委員会の役割の決定

IPASの委員会では、支援先スタートアップの選定やメンタリング計画の確認、事業成果のレビューなどを行っています。

委員会のバランスを考慮した人選

IPASの委員会では所属(どのような立場でスタートアップ支援に関わってきたか)、ハンズオン投資、経営の実践、知財、契約などの広い範囲をカバーできるようなバランスを考慮した人選としています。

人選基準について

委員会の人選基準には下記の3点が考えられます。

①技術分野

事業の性質を考慮し、幅広い技術分野の有識者がいること

②ビジネス・知財バランス

ビジネスと知財の両方を委員会でカバーできること

③社会課題への意識

社会課題や産業振興の課題に対する有識者を含むこと

就任依頼と委嘱

守秘義務(秘密の定義、義務)や支援企業との利益相反のチェックについてあらかじめ定めておきます。経験豊富な人ほど、利益相反のリスクが高まります。

就任依頼時の注意

有識者に就任依頼をする際には、IPAS事業とその中で想定している委員の役割を説明し、十分理解していただくことが重要です。

スケジュール確保

経験豊富な有識者ほど、多忙であるため、十分に余裕をもって、会議日程を確保します。

委員会の開催

委員会で諮る内容はポイントを絞りましょう。資料を事前に共有することで、当日の議論を効率的に行うことができます。

利益相反の確認

応募企業の情報を有識者委員と共有する前に利益相反チェックを行うことが必要です。

支援企業採択審査

支援先スタートアップの選定において、有識者委員会の協力を得て、効果的な審査を実施しています。

審査実施のフロー

準備、留意点

1次・2次審査(運営側で実施)

  • 1次は書類審査、2次はプレゼンによる面談審査を行います。
  • 1次審査では、IPASが想定している支援対象から外れる企業を選別しています。また、2次審査では書類だけではわからない経営者のコミットメント、課題の深掘りなどの確認を行い、有識者による最終審査においてIPASの審査基準による選定が効率的に行われるようにします。

最終審査(有識者委員会で実施)

  • 最終審査は有識者委員会による面談審査です。
  • 主な審査項目は、例えば下記の通りです。
A 知的財産 知的財産・技術
課題・支援内容
B 事業性 社会性
事業内容
課題・支援内容
C 体制・人物 コミットメント
コミュニケーション能力
支援の必要性
  • 最終審査では、原則CEOのプレゼンテーションにより審査を行います。審査は知財、経営、投資、アカデミアなどの各分野における有識者と応募企業経営者との面談を通じて、支援すべき企業を決定します。
  • プレゼンの発表時間については6分間としています。短時間で的確に、自社製品の紹介や支援ニーズをアピールできるかという経営者の資質も確認します。
  • プレゼンに対しての有識者委員からの質疑時間はなるべく確保するようにします。
  • 限られた時間で効率的な審査を実施するために、運営側は最終審査でのプレゼン資料フォーマットの設定を行うなど、有識者委員の判断に必要な情報を盛り込み、また、スムーズな進行ができるよう採点表など各種資料を準備します。

Point!

1次審査、2次審査ではメンタリングが効果的だった事例を踏まえ、毎年、改善を行っています。有識者委員会では、審査前に、改善案や、審査に必要な情報を体系的に引き出す、プレゼンガイドについて意見を頂きます。
最終プレゼン審査では、有識者委員から直接質疑を行っていただき採点します。知的財産、事業性、体制・人物などの観点から審査しますが、審査基準に則した上で、さらに有識者の眼から見て総合的・大局的に評価をしてもらいます。

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