文字の大きさ

English
  • IP BASE

知財戦略⽀援から⾒えた スタートアップがつまずく14の課題とその対応策

2.プログラムを通じて把握した課題と対応策

課題11 契約や利用規約の文言の検討が不十分

受注、請負、共同研究、共同開発等での契約や、
サービス提供時の利用規約における条件や文言の検討ができていない。

Point

契約交渉のセオリーをあらかじめ押さえましょう。
・契約内容や利用規約のポイントは専門家がノウハウを持っているので相談しましょう。

事例⑲ 契約交渉のセオリーをあらかじめ知った上で、大企業等との交渉に臨む

1.スタートアップの課題

 スタートアップは、共同開発の話を進めていましたが、相手先から提示された契約書案は自社に非常に不利なものとなっており、対応に悩んでいました。
 このような事例は、特に大企業とスタートアップとの契約交渉の中で散見されますが、スタートアップ側に交渉の実務経験が不足しているため、生じる課題と考えられます。

2.IPASでの対応

 メンタリングチームは、契約交渉のセオリーを含め、こちらがどこまで譲歩できるかを決めることをアドバイスしました。そして相手方から提示された契約書案に記載されている条件を、受け入れられる部分と受け入れられない部分に分け、受け入れられない部分の文言を譲歩できる文言に修正しました。
 メンタリングチームが提案した修正案を基に交渉した結果、こちらの提示した条件を相手方が受入れてくれることになり、相手方とよい関係を維持しながら交渉を進めることができました。

専門家活用による契約交渉のブラッシュアップ

3.本事例のkey factor

あらかじめ交渉のセオリーを知っておこう

 交渉相手が準備する最初の契約書案では、相手側に有利な契約内容にしてくることが多いので、これを踏まえて自社がどこまで譲歩できるのかをはっきり決めて、慎重に文言を検討しましょう。

専門家に相談しよう

 特に契約に関しては後々争いになるポイントについて専門家が多くの知見を持っているので相談しましょう。

事例⑳ 専門家と相談しながら、自社のサービスに合った利用規約を用意する

1.スタートアップの課題

 スタートアップは自社の製品(データ)をwebを介して顧客に提供することを想定していましたが、データの利用規約については、他のサービスの利用規約を微修正して使おうとしていました。しかし、それでは自社がサービスを展開していくうえで適切な内容になっていませんでした。

2.IPASでの対応

 メンタリングチームは、利用規約案をレビューし、確認点を整理しました。
 レビュー後、メンタリングチームは、スタートアップに製品の概要やサービスの提供方針を確認しつつ、修正すべき点を指摘・助言していきました。本件では特に、使用する単語の定義や、ユーザーによるデータの二次利用を通じて生まれた製品の権利帰属の整理等がポイントとなりました。

自社の製品・サービスに合った利用規約の策定


3.本事例のkey factor

自社のサービスに合った規約としよう

 他のサービスの規約を雛型にする場合、言い回しが古かったり、自社のサービスに適合していない場合があります。自社のサービス内容やビジネスモデルを再確認し、具体的なユースケースを想定した利用規約を作成しましょう。

専門家に相談しよう

 契約書の作成は、専門的な知見が必要なため、弁護士等の専門家に相談することが重要です。

目次
1.IPASとは 2.プログラムを通じて把握した課題と対応策
3.おわりに Column
目次 1.IPASとは 2.プログラムを通じて把握した課題と対応策 3.おわりに Column
UP