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知的財産デュー・デリジェンス標準手順書及び解説

1. デュー・デリジェンス総論

(6)知財DDの手順

知財DDの手順は概ね、一般的なDDの手順(前記(5)(iii))と同様です(下図)。

知財DDの場合に限りませんが、知財DDの手順や調査範囲を考える際には、各対象会社やその事業の特性に合った工夫をする必要があります。例えば、コンピュータ・プログラムは著作権で保護されますが、一定の要件があれば特許として保護される場合もあります。そのため、知財DDでは、調査の初期段階で事業内容を把握して、調査対象の絞り込みを行い、調査の必要性と難易度を踏まえた上で、効率的な資料提供の要請やヒアリングの方法を考えていくことになります。

作業1 対象会社・対象事業に関する事前検討

内容:対象会社又は対象事業について、ヒアリング又は入手可能資料の範囲で検討し、調査対象を特定し、かつ調査対象毎に問題となる知的財産権の種類を特定します。

方法:i)ヒアリング、ii)事前開示資料、iii)一般公開資料

作業2 調査対象の特定

内容:調査の対象とする事業、製品・サービス等の範囲を絞ります。

方法:出資等の目的、作業1により把握した対象会社・対象事業の内容、出資等のスケジュール、調査費用の予算等を総合考慮し、調査対象を限定します。

作業3 調査方針の立案

内容:作業2により選定した事業に関して、さらに具体的に、①調査項目、②調査方法、③調査スケジュール等を決めます。

方法:別紙「調査項目一覧表」を参照して、事業、製品・サービス等の調査対象毎に、①から③をどのようにするかを決めます。

作業4 資料開示の要請

内容:作業3で定めた調査方針に従って、対象会社に対して、資料開示を依頼します。

方法:別紙「調査項目一覧表」を参照して、開示を求める資料の一覧を対象会社に示して、資料の開示を依頼します。

作業5 調査実施

内容:作業4で収集した資料に基づき、対象会社・対象事業の内容を調査・検討します。

方法:別紙「調査項目一覧表」を参照して、開示資料の調査、ヒアリング、質問票のやり取り、外部データベースの調査等を実施します。

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