調査項目一覧表解説
II.対象技術等毎の、対象会社における利用可能性・利用可能範囲の調査
2.自社帰属の対象技術等の調査
(5) 営業秘密・ノウハウに関する調査
a. 営業秘密該当性の調査
具体的調査項目
① 秘密として管理されているか
② 有用な情報であるか
③ 公に知られていないか
調査目的
不正競争防止法上の「営業秘密」の要件、特に秘密として管理されている状況かあるかを確認します。
b. 営業秘密・ノウハウの第三者へのライセンスの設定の有無及びその内容の調査
具体的調査項目
① ライセンスの有無及び内容
② 契約上の独占的ライセンスなどの対象会社による営業秘密・ノウハウの利用を制限する条項の有無及び内容
③ 契約上の秘密保持の内容・方法
調査目的
対象会社が営業秘密・ノウハウを利用する際に、障害や負担があるかどうかを確認し、営業秘密漏洩のリスクの有無及びその可能性の大小を確認します。
解説
営業秘密又はノウハウが第三者にライセンスされていることは、他の知財のライセンスに比してそう多くはないと考えられます。しかし、ライセンスされている場合については、特許権等と同様の調査が必要となり得ます。
解説
営業秘密又はノウハウは、秘密管理性・有用性・非公知性といった要件を満たした不正競争防止法上の「営業秘密」に該当する場合、法的保護を受けることができます。よって、対象会社が保有している営業秘密又はノウハウが、これらの要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。特に、営業秘密の要件の中での秘密管理性については、社内における秘密情報の管理体制など、ガバナンスの観点からの調査検討が重要となります。
なお、必ずしも不競法の「営業秘密」に該当しなくとも、営業秘密又はノウハウとして価値を有する場合もあります。ただし、そのような場合であっても、秘密に管理されていることにその優位性があることに変わりはなく、いずれにせよ不競法の各要件の観点から調査・分析することは有益です。
秘密管理性の確認のための調査資料としては、例えば、対象会社の秘密管理規程や就業規則、役職員から徴収している秘密保持誓約書等があります。また、非公知性の確認のための調査資料としては、取引先との秘密保持契約書等があります。