2. デュー・デリジェンス各論
(1)一般的な出資等のプロセス
(iii)DD結果の評価・対応策
① リスクの評価及び対応策
(a)信用性の評価
評価に当たっては、前提として、調査結果自体の信用性に関する検討(と報告書への記載)が必要です。例えば、時間的制約や開示資料の限定などに起因して、想定した項目の全部について十分な調査が完了できなかった場合には、調査未了の事項を特定すべきである。
このような調査未了の事項が存在する場合は、その事項に関連するリスクが顕在化した場合の影響をについて評価する必要があります。また、一定の調査が完了した事項であっても、調査結果を認定した根拠を明記しておくと、万が一、対象会社の開示や説明に虚偽や誤りがあった場合であっても、その原因や責任の所在を確認するのに役立ちます。
(b)リスク評価
リスクの高低を測る画一的な基準はなく、初期的検討で検討した取引実行の重要な前提条件との相関関係で判断するしかありません。実務的には、発見事項ごとに採るべき対応策を検討し、対応策が重たいもの(取引自体の中止)から順に検討していく作業となります。具体的な対応策例とリスクの程度の関係は下図のように整理することが一応可能です。
リスク | 対応策例 | ||
---|---|---|---|
高 | 取引自体の中止 | ||
主要な取引条件の変更 | 取引価格の減額 | ||
取引手法の変更 | |||
中 | 契約書における リスクヘッジ |
実行の前提条件の変更・追加 | 実行前の義務の変更・追加 |
表明保証条項 | |||
実行後の義務の変更・追加 | |||
低 | 出資等の後の統合作業(PMI)で対応すべき事項の検討 | ||
表明保証条項 | |||
発見事項なし |
(c)対応策の具体例
1. 取引自体の中止
最もドラスティックな対応策は、取引の中止です。
これに該当する典型例としては、対象会社の収益の大部を占める製品等に利用されている技術等に関して、友好的でない第三者が知的財産権を有しており、対象会社がライセンスを受けることが難しい場合や、製薬分野において、新薬の有効成分の基本特許に明白な無効原因がある場合などが考えられます。
このような事実が発見された場合、リスクの解消(瑕疵の治癒)に努力することはもちろん重要ですが、治癒することが事実上困難な場合には、対象会社や対象事業の価値源泉が法的に担保されておらず、取引を実行する意味がないため、最終契約を締結するまでもなく取引自体を中止することになります。
2. 取引手法の変更
取引手法は、対象会社や出資者等の資本政策に基づいて検討されますが、DD中の発見事項のために、取引手法の変更を検討することが必要な場合があります。
例えば、当初は事業譲渡の方法が検討されていたけれども、承継すべき重要なライセンス契約が多数存在し、個別にライセンサー(特許権者)の同意を取得することが難しいときは、契約の承継に個別同意を要しない会社分割の方法に変更することなど考えられます。
また、株式譲渡を前提としてDDを行ったところ、対象会社に巨額の偶発債務(訴訟リスク)等が存在する可能性を示唆する事実が発見され、そのまま子会社化(連結)すると財務リスクが大きいため、必要な権利義務だけを承継する事業譲渡や会社分割に変更することが考えられます。
3. 取引価格の減額
当事者にとって、対価(金銭・株式等)の価額は重大な関心事項です。このため、対価の減額は、破談(ディールブレーカー)の原因となりかねませんので、慎重な検討が必要です。例えば、主要な収益源であるライセンスアウト契約の一部が更新されない見込みが高く、収益の大幅な低下が予想される場合や、係属中の訴訟について敗訴の見込が高く、損失の計上が見込まれる場合などが、減額要因となり得ます。
このような事実が発見された場合には、当初の評価額の重要な前提条件が崩れ、高値掴みをするおそれがあります。このため、価値算定に反映(DCF法に用いる事業計画数値の修正、偶発債務相当額の控除等)して価格の合理性を改めて検証しなければならず、重大な悪影響があるときは、対価の減額を提示することになります。なお、売主が減額に応じない場合には、実行時に全額を支払うのではなく、ひとまず一部を支払った上で残額は一定の条件が成就したことを条件に後払いする方法や、信託などを利用して支払を留保する方法などあり得ます。
4. 実行の前提条件の設定
実行日までにリスク(瑕疵)が治癒されていなければ出資等を実行する義務を負わないものとして、取引から安全に離脱する選択肢を確保するために、実行の前提条件を定めることは、出資等の契約条件としては一般的です。
また、取引の重要な前提条件が崩れるような事実が発見されたけれども、一定期間を置けば治癒される余地がある場合には、治癒の完了を取引実行の前提条件として定めることで取引自体の中止(延期)と同様の効果が得られます。
実行の前提条件の設定を検討すべき発見事項の例としては、以下のような発見事項が考えられます。
- 対象会社は、ライセンスを受けて製品の製造販売を行っているが、ライセンス契約の権利範囲に含まれているか疑義がある
- 重要なライセンス契約に支配権移転(Change of Control)条項9 がある、又は契約更新時期が到来するものの更新が未確定である
- 対象会社(別会社の子会社)が親会社経由でサブライセンスを受けている場合で、取引の実行によってサブライセンスを認められる会社の範囲(子会社等)から外れる
- 知的財産権に関する重要なノウハウ等を有する技術者等のキーパーソンの就業継続が不可欠である
このような事実が発見された場合には、例えば、以下のような条項を設けることが考えられます。
ただし、前提条件は対象会社(の売主等)の義務を定めるものではないため、仮に条件が成就しなかったとしても、売主等に債務不履行責任(損害賠償)を追及することはできない点で注意が必要です。
(前提条件の条項例)
買主は、クロージング日において下記各号が満たされていることを前提条件として、第○条に定める買主の義務を履行する。なお、クロージング日において下記各号の条件が一部でも満たされていない場合には、買主は第○条に定める行為を行う義務を負わないが、買主は、その任意の裁量により、下記各号の条件の一部又は全部を放棄することができる。ただし、かかる条件の一部又は全部の放棄によっても、以下の各号の条件が充足したとみなされるものではなく、また、第○条に基づく補償の請求が妨げられるものではない。
- (1) 対象会社と株式会社△△との間の平成○年○月○日付××契約について、契約相手方から本件取引の実行に同意する旨の書面同意が得られていること10。
- (2) 売主がクロージング日までに履行すべき義務の履行を完了していること。
- (3) 売主が第○条に定める売主の表明及び保証に違反していないこと。
- (4) ・・・・・・
5. 実行前の義務の設定
発見されたリスク(瑕疵)の一部については、取引の実行までにリスクを解消すること(瑕疵の治癒)を対象会社(の売主等)の義務として定め、契約に基づいて、その治癒を履行するよう求めたり(履行請求)、不履行時に金銭賠償を求める(損害賠償請求)ことができるようにすることも一つの選択肢です。
発見された瑕疵の治癒を前提条件に規定するのみでは、出資者等しては取引から離脱することしか選択肢がなく、対象会社の側で自発的に瑕疵の治癒を目指すのを待たざるを得ません。しかし、出資者等としては、取引の中止はすでに投じたコストが無駄となり、非経済的であるため可能であれば回避したいと思われます。
また、対象会社(の売主等)の責任(責めに帰すべき事由)によって、瑕疵を治癒できなかったのであれば、出資者等がDD等に費やした実費や機会損失の補填を求めたいという場合もあり得ます11。このような場合には、以下のような条項を設けることが考えられます。
ただし、実行条件の箇所で述べた発見事項の具体例を見れば分かるように、瑕疵の内容によっては、治癒に第三者の同意を要するなど、対象外者側だけでは実現できないものもあります。必要な場合には、出資者等は対象会社がそのような第三者を相手に行う交渉に協力することが重要です。
(実行前の義務の条項例)
売主は、クロージングまでに、対象会社をして、以下に定める事項を実行させるものとする。
- (1) 対象会社と株式会社△△との間の平成○年○月○日付××契約について、契約相手方から本件取引の実行に同意する旨の書面の取得
- (2) ・・・・・・
6. 表明保証
リスク(瑕疵)に該当する事実が契約締結日・取引実行日など特定の時点において存在しない旨を保証させる条項を表明保証(Representation & Warranty)と呼びます。もっとも、表明保証条項への違反した場合に損害賠償を求めるためには、表明保証に違反があった場合について、出資者等の損害を補償する義務(Indemnification)を定めることが必要です。
DDとの関係では、表明保証条項は複数の目的で利用されます。
第一の目的は、理論上は潜在的なリスク等があるものの、実際に顕在化する可能性の高低が不明確な場合又は評価自体に一定の不確実性が含まれる場合において、当該リスクをヘッジする目的に用いられます。例えば、以下のような事項が発見された場合がこれに当たります。
もっとも、顕在化の可能性の高低が不明確であるという理由のみで、そのようなリスクの一切を対象会社(の売主等)に転嫁することは、スタートアップ企業に必要以上のリスク回避のための対応や保険契約のコストを負担させることになり、その成長性を阻害しかねません。出資額が非常に大きい場合はともかく、マイナー出資のような場合については、出資者側で一定のリスクを引き取ることも重要です。
- 重要な知的財産権が対象会社が保有しておらず、共同研究相手や開発委託先に留保されている懸念がある
- 訴訟提起を受けているが、その帰趨が不明である
- プログラム開発に携わる従業員に過重労働の疑いがあるものの、時間管理方法が不十分である、不適法な裁量労働制や固定残業代に基づき時間外手当を計算している、労基署調査を受けた実績がないなどの理由から、未払残業債務が今後顕在化する可能性を否定できない
第二に、DDの不完全性を補完する目的で利用されます。
DDには期間等の制約があり、売主から提供される情報に依拠せざるを得ないため、完璧なDDはおよそ不可能であることは前記の通りです。このため、出資者等からすれば、仮に軽微なリスクしか存在せず、又はそもそもDDにおいて特段のリスクが発見されなかったとしても、DDに内在する不完全性を補完したいと考えることは自然です。このような理由から表明保証によって担保すべき対象は以下の2点である。
- DDにおいて売主が要請した情報が全て開示されたこと
- 開示された情報が正確であること
ただし、網羅性のある調査を事前にスタートアップ企業が行うことは著しく困難であり、開示情報の完全性について表明保証を行うことは困難と思われます。前記の通り、出資者等において、期間や費用上の制約で完全なDDが困難であった事項について、表明保証及び補償条項で対象会社にリスク転嫁をすることは、対象会社が大企業である場合は妥当なこともありますが、スタートアップ企業では酷な場合も多いと思われます。訴訟等での有効性に疑問は残りますが、表明保証の程度について、対象会社の「知る限り」は問題がなかったというような限定を設けることもやむを得ないケースもあり得ます。
一定のリスクについては、投資に内在するリスクとして出資者等において引き受けるという判断を行ったとしても、その判断の理由を合理的に説明できる際には、表明保証を求めなかったことが直ちに出資等の経営判断に関する責任(取締役の善管注意義務、忠実義務違反等)を生じるものとは限りませんので、ある程度の柔軟性をもって対応することも重要です。
以下は、開示範囲の十分性(第1項)と正確性(第2項)を表明保証の対象とする例です。
(全面開示の条項例)
- 1. 本契約締結日前に、売主は、買主に対し、対象会社及び売主に関する全ての重要な情報並びに買主及びそのアドバイザーの要求に係る情報であって、売主又は対象会社が、認識し又は保有しているもの及び認識し得た又は保有し得たものを、全て開示又は説明し、開示等された情報以外に、対象会社に重大な悪影響を及ぼすか、及ぼすことが合理的に予想される事実は存在しないこと。
- 2. 売主及び対象会社又はそれらの関係者が、本契約の締結及び本契約に関連する取引について、買主又はそのアドバイザーに対し、直接又は間接に提供した情報及び文書その他の記録媒体(磁気データや電子メール等の全ての媒体を含む。)に含まれている全ての情報並びに口頭又は書面により回答した情報は、全て真実かつ正確なものであり、虚偽や重大な誤りは存在せず、誤解を招かないようにするために追加で開示が必要な情報で未開示なものは一切存在しないこと。
ところで、前述したように、表明保証条項自体は補償責任を生じないため、違反時に損害賠償請求を行うためには補償条項をセットで定めなければなりません。なお、表明保証違反を原因とする補償条項を定めるときは損害額の書き方に十分留意すべきです。
詳説は避けますが、表明保証違反を理由とする紛争に発展した場合、出資者等の側で表明保証違反と相当因果関係のある損害額を主張立証することは簡単ではありません。そのため、表明保証違反があった場合に損害とみなす金額(損害賠償の予定)を個別の表明保証毎に明記しておくことも検討に値します。
(表明保証条項の条項例)
- 売主は、買主に対し、本契約締結日及びクロージング日において、別紙○の事項が真実かつ正確であることを表明し保証する。
- 売主は、第○条に基づく売主による表明保証の違反に起因又は関連して買主が被った損害、損失、費用について、買主に対して賠償、補償又は補填するものとする。
このように、表明保証の対象とする具体的な項目は案件毎に多様です。なお、表明保証の項目ごとに「重要な」、「重大な」、「知(り得)る限り」などの限定を付し、これらの用語の定義を明確に定めることもあります。
以下は、全ての知的財産権を対象に包括的な表明保証を行う条項例です。なお、各号の記載内容は知財DDにおける調査項目(別紙「調査項目一覧表」を参照)に対応しています。
(知的財産権一般に関する条項例)
- 1. 対象会社は、現在の事業を行うために必要な知的財産権(その申請又は登録に関する権利を含む。以下「本件知的財産権」と総称する。)を単独で適法かつ有効に保有し、又はそのライセンスを受けていること。
- 2. 本件知的財産権について、第三者に対する担保権若しくは実施権の設定、無効原因その他の瑕疵、ライセンス契約に係る債務不履行事由等、訴訟等、司法・行政機関等の判断等その他対象会社の権利に悪影響を及ぼし又は対象会社による現行の態様での使用を制限し若しくはその支障となる事由は一切存せず、そのおそれもないこと。
- 3. 対象会社は、第三者の知的財産権又はノウハウを侵害しているとの通知又は請求を受領しておらず、また、第三者に対してかかる通知又は請求をしていないこと。
- 4. 対象会社の役員又は従業員が行った職務発明等(特許法第35条第1項に定める職務発明、実用新案法第11条第3項に定める考案及び意匠法第15条第3項に定める意匠の創作を含む。)に係る知的財産権について、対象会社は、当該発明等を行った役員及び従業員に対し、当該知的財産権に係る対価等の支払義務を一切負っていないこと。
以下は、案件固有の具体的な事実関係を踏まえた条項例です。個別のリスクも包括的な表明保証条項でカバーされているともいえますが、仮に紛争等に発展した場合には、買主が表明保証違反を基礎付ける事実と当該事実が違反に該当することを主張立証しなければなりません。その際に、包括的な条項では用語が多義的であること等に起因して、例えば、前記2項の「支障となる事由」に当たる事実と何かなど、主張立証の難易度が上がる場合もあります。このため、取引実行の重要な前提条件である項目については、案件固有の具体的な事実関係を定めることも検討に値します。
(DDで判明した個別事案における事実関係を基礎として詳細に記載する条項例)
- 1. 対象会社は、本件システムを構成するプログラムの著作者であり、創作に関与した第三者は○○○のみであって、当該第三者が関与した部分に関する一切の著作権(著作権法第27条及び同法第28条の権利を含む。)を譲り受けていること。
- 2. 本件システムは、他のプログラム著作物に依拠せずに独自に創作されたプログラム著作物であって、他のプログラムの複製又は翻案物ではないこと。
- 3. 対象会社は、本件システムに関し、以下の権利を単独で適法かつ有効に保有しており、かつ、第三者に対する譲渡、担保権の設定その他の処分並びに利用又は使用に関する許諾(ただし、本件重要契約に基づく許諾を除く。)を一切行っていないこと。
- ① 本件システムに係る一切の知的財産権(著作権、特許権、意匠権、商標権及びこれらの権利の申請又は登録に関する権利、ノウハウを含むが、これに限らない。ただし、フリーソフトウェア及びオープンソースソフトウェアに関する権利を除く。)
- ② 本件システムに関する一切の成果物その他の資料・データ(ソースコード、要件定義書・仕様書・内部設計書・外部設計書等の関連ドキュメント、データベースを含むが、これらに限らない。)の所有権
- 4. 本件システムに関して、訴訟等の手続が係属し、又は第三者の知的財産権を侵害している旨の通知又は請求(書面か否かを問わない。)を受けたことはなく、その他対象会社の権利に悪影響を及ぼし又は対象会社による現行の態様での使用を制限し若しくはその支障となる事由は一切存せず、その虞もないこと。
7. 実行後の義務
取引を実行するか否かには影響を及ぼさないけれども、取引実行後も重要な前提条件を維持するため、取引実行後の義務を負わせ、履行請求や損害賠償請求を可能にする場合もあります。例えば、以下のような場合が考えられます。
- 事業上の重要な知的財産権を出資者等が承継するには障害があるため、実行後にライセンスを受ける必要がある12
- 承継する必要はないが、取引実行後も一定期間使用する必要がある(例えば、在庫処理のためのライセンス)
- 実行後に同一の製品等の提供や知的財産権の権利化を禁止する必要がある
このような場合、以下のような条項を設けることが考えられます。
(実行後の義務の条項例)
売主は、クロージング後、対象会社をして、以下に定める事項を実行させるものとする。
- (1) 売主は、買主に対し、売主が保有する本件知的財産権を、合理的に必要な範囲において、追加の支払いを要することなく無期限で使用させるためのライセンス許諾、ノウハウ供与その他の必要な手当てを行う。ただし、売主以外の第三者の同意を要する場合であって、当該同意を得ることができないときはこの限りでない。
- (2) ・・・・・・
8. PMIの内容検討
統合作業(PMI)において、取引実行の是非には影響を及ぼさないものの、実行後のシナジーを最大化するため、又は実行後に価値が減少することを防止するために改善を要する事項が発見されたときは、実行後の経営課題として整理しておき、PMIの中で解消していくことも一案です。
- 知的財産権の管理体制が稚拙である(担当部署・担当者の不存在など)
- 営業秘密について不正競争防止法の保護を受けるために必要な秘密管理性の担保ができていない(マル秘マーク、アクセス制限など)
- 職務発明規程が整備されていない
- 業務委託の雛形契約において知的財産権の権利移転が明記されてない
9 当事者の株主構成の変更、合併による法人格の消滅等を契約の解除事由や事前通知事由とする条項です。例えば、ライセンス先が競合他社に買収された場合に、ライセンス契約を解除できるようにしておきたいといったニーズを満たすために想定されています。
10 例えば、第三者からのライセンス・イン契約について、特許権者から支配権移転条項に基づく解除権を行使しない旨の約束を取り付けてくることが考えられます。
11 出資者等の責めに帰すべき事由で瑕疵が治癒されなかった(瑕疵の治癒が阻害された)場合には、対象会社側にも出資者等に同様の責任を追求することがあり得ます。
12 例えば、対象会社が第三者の子会社で、当該第三者(親会社)が保有する特許権を親・子会社の双方が実施しているケースで、子会社の売却後も継続して親会社が特許権者となる場合が考えられます。