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知的財産デュー・デリジェンス標準手順書及び解説

調査項目一覧表解説

I.対象会社における価値源泉となる技術等の分析・特定

1.製品等に関する対象技術等を特定し、重要性の高低を分析

具体的調査項目

対象会社の事業内容

調査目的

対象会社の事業内容(商流、契約関係)を分析して、対象会社における価値源泉となる製品等を特定・抽出する。

具体的調査項目

対象会社の特定

調査目的

対象会社の各製品等の現在及び将来の収益予測の比較・分析等によって対象会社事業における各製品等の重要性のランク付けを行う等の方法により、主として調査対象とすべき製品等を特定する。

具体的調査項目

対象製品等に関する対象技術等の特定

調査目的

対象製品等が具体的にいかなる対象技術等で構成されているかを分析して、対象製品等に含まれる対象技術等を特定する。

2.利用システム等に関する対象技術等を特定し、重要性の高低を分析

具体的調査項目

対象会社の事業内容

調査目的

対象会社の事業内容(商流、契約関係)を分析して、対象会社における価値源泉となる製品等を特定・抽出する。

具体的調査項目

対象会社の対象製品等の特定

調査目的

対象会社の各製品等の現在及び将来の収益予測を比較・分析し、対象会社事業における各製品等の重要性のランク付けを行う。

具体的調査項目

製品等又は対象製品等の製造、販売、提供に利用するシステムやソフトウェアの特定

調査目的

製品等又は対象製品等の製造、販売、提供に具体的にいかなるシステムやソフトウェアを用いているかを特定する。

具体的調査項目

利用システム等の構成の分析

調査目的

利用システム等が具体的にいかなる内容かを分析して、それらに含まれる知財を特定する。

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解説

対象会社は多種多様な技術等や製品等を保有している可能性があるため、それらの全て(及びそれに関する資料)を知財DDにおける調査・権等の対象とすることは現実的ではありません。そこで、まず、調査の対象とする技術等や製品等の範囲を特定する必要があります。

対象会社がスタートアップ企業で、事業の基幹となる製品等又は技術等が1つの場合であれば問題はありませんが、対象会社が複数の製品等又は技術等を有している場合13 には、取引自体の目的に立ち返って、調査すべき対象となる事業をまず特定すべきでしょう。その上で、調査対象を①対象会社の製品等と②対象会社が製品等の提供に利用しているシステム、ソフトウェア等のリソース(利用システム等)に分けた上で、製品等及び利用システム等のそれぞれ利用されている技術等を特定します。もっとも、製品等と対応する技術等の紐付けは一見しては分からないことが多いので、この特定作業は対象会社の協力を得ながら行うことになります。

次に、対象技術等の重要性の高低を分析して、知財DDの対象を絞り込んでいきます。調査項目一覧表には、これらの調査のために必要な調査項目を具体的に列挙し、項目毎に、その調査の目的及び調査資料の一例をまとめています。


13 これらの調査項目の調査資料としては、例えば製品等のカタログやパンフレットがあります。また、対象会社が上場会社の場合は、(一般公開されている)有価証券報告書の「事業の内容」等の記載から、対象会社の事業を把握することも可能です。

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